「有線接続なら買わない」の声も
埼玉県在住の自営業・Bさん(30代男性)も、歴代のPlayStationでプレイしているゲームファン。もちろんPS5も所有しており、PS5のゲームを毎日楽しんでいる。また、PSVRのユーザーでもあるが、こちらは主に動画コンテンツの視聴に使っているという。
「VRのゲームは楽しいのですが、長時間プレイしていると目も疲れるし、少し酔ってしまうこともあるんです。だから、PSVRでゲームをしていたのは、最初だけでした。
今は、主に動画を見るためにPSVRを使っていますが、難点は本体と“有線接続”であること。このケーブルが結構邪魔なんです。セッティングも面倒だし、手や体にケーブルが触ると、没入感も薄れてしまう。PSVR2では完全ワイヤレスを期待していたんですが、結局有線接続のままだったので、買わないことにしました。その代わりに動画閲覧用に、『Meta Quest2』の購入を検討しています」(Bさん)
Meta Questは、アメリカのメタが発売するスタンドアロン型のVRデバイス。3月5日に価格が改定され、上位機種の『Meta Quest Pro』は22万6800円から15万9500円に、『Meta Quest 2』の256GBモデルは7万4400円から6万4405円に値下げされた。
「Meta Questの値下げはPSVR2に対抗したものだと見られています。VRゲーム全般に言えることですが、“キラーソフト”と呼ばれるような人気の高いタイトルはまだ登場しておらず、Meta Quest シリーズについても、PSVRシリーズ同様いまいち普及できていないという印象は否めません。ただ、Meta Questの場合、PCやゲーム機本体がなくても使用することが可能であり、動画コンテンツを楽しみたいだけであれば、便利だと言えるでしょう。
とはいっても、少なくとも6万円から7万円くらいの本体価格となると、やはり手軽なデバイスとはいい難い。PSVR2にしても、その性能はハイエンドクラスに匹敵するもので、7万円台という価格はむしろ安いとも言われていますが、一般ユーザーが気軽に買える代物ではない。VRコンテンツの普及において、本体価格がネックになっている面もあるでしょう」(藤井氏)
VRコンテンツが、誰でも安価で手軽に楽しめるようになるには、まだまだ時間がかかりそうだ。(了)