円安の恩恵を受ける具体的な銘柄として、こころトレード研究所所長の坂本慎太郎氏は「自動車関連」に注目する。
「ヤマハ発動機は海外売上高比率が9割にものぼり、三菱自動車やSUBARUも為替変動に対して敏感に反応するため、業績拡大が期待できる。自動車向け部材を手がけるデクセリアルズなどもアフターコロナの挽回生産が見込まれており、株価上昇が期待できます」
直近の下落局面で株価が割安になっているなかでは、まだ企業規模がそこまで大きくなく、“跳ねた”際により大きなゲインが見込める「割安成長株」の購入も考えたい。
「再生誘導医薬品を開発するステムリムは、今年前半に治験結果が公表されるので上昇期待が高い。また人手不足と賃上げが叫ばれる昨今、人材関連のビジョナルなども要注目です」(戸松氏)
地銀も選択肢に
長期保有を視野に入れるのであれば、中長期的にも株価上昇が見込める必要がある。その視点から銘柄を検討すると、狙い目となるのは意外にも「銀行株」だという。
「当面は日米の金利差が維持される可能性が高いとはいえ、日銀の金融緩和は10年も続いてきたため副作用も指摘されている。いずれは“出口戦略”を求められます。そうしたなか超低金利に喘いできた銀行は、今後小幅であっても金利が上昇すれば、収益向上への期待感から株価上昇につながる。中長期的に見れば保有するメリットは大きいでしょう」(戸松氏)