別荘やリゾマンは“最も評判の悪い相続財産”
かつては豊かさの象徴だった別荘やリゾートマンションも様変わりした。
「バブル期にできた別荘やリゾマンは多くが築30年を超え、所有者から相続される時期を迎えています。しかし戸建て別荘は一般住宅以上に建物の傷みが顕著で放置するとすぐ住めない状態になり、リゾマンも維持管理費が積み上がるうえに需要低下で人気が急落しました。購入時に2000万~3000万円した物件が10万円台で売られるケースもあり、今や別荘やリゾマンは“最も評判の悪い相続財産”と呼ばれます」(牧野氏)
地方にはさらに悲惨な相続が待っている。
「地方にある山林は相続税の負担は大きくないが、境界線や権利関係が曖昧で登記せず放置されるケースが多い。しかし登記なしでも相続後に管理義務が生じ、自然災害が発生した際に責任を問われる可能性があります。また地方のシャッター通り商店街は店舗付き住宅として税制面で優遇されていますが、現地で暮らしていない子供が相続すれば優遇措置がなくなり税額が急騰します。店舗経営者が高齢化するなか、衰退の一途をたどる地方のシャッター通り商店街は“相続の時限爆弾”とさえ言えます」(牧野氏)
※週刊ポスト2023年3月31日号