佐藤氏の人物像について経済ジャーナリストの森岡英樹氏もこう評する。
「章男さんとは『車好き』という点で一脈通じる部分があると思います。53歳の佐藤さんの新しい感覚を活かした取り組みを打ち出していくはず。車のデザインや機能そのものが変容する可能性もあるのではないか」
自動車業界ではトヨタ以外にも複数社でトップが入れ替わる。5年ぶりの社長交代となるマツダ・毛籠勝弘氏(8位)をはじめ、SUBARUは大崎篤氏(10位)へとバトンタッチする。
「世界的なEV化の潮流が押し寄せ、『100年に一度の大変革期』を迎えたことで、新しい発想の経営が求められている。そのため、社長交代が集中したのでしょう」(『経済界』編集局長の関慎夫氏)
ただ課題は共通していても、新社長の特徴はそれぞれ大きく異なる。
「毛籠氏の社長就任は、営業畑で北米市場を手がけてきた経験から、グローバルの販売拡大を意図してのことと思われる。一方の大崎氏は技術系出身で、30代後半から労組書記長を務めるなど経験豊富な人材。経歴が大きく異なる新トップたちが、EVシフトという難題にどう立ち向かうのか注目しています」(河野氏)
同様にアフターコロナへの対応が迫られる不動産業界では三井不動産が植田俊氏(9位)へ、三菱地所が中島篤氏(15位)へとライバル2社が時を同じくして交代となる。