オムロンは取締役から創業家がいなくなる
ソフトバンクや日本電産など日本の大企業では今、カリスマ経営者や創業家からの継承・脱却も課題とされている。
そんななか、カシオ計算機は創業家以外では初となる増田裕一氏(5位)が社長となる。68歳という年齢から“ワンポイント登板”と見る向きもあるが、主力商品『Gショック』の開発を率いた経験もあり、新規事業の打ち出しに注目が集まる。
千葉商科大学教授の磯山友幸氏は、同じく創業家からの脱却を図るオムロンで社長となる辻永順太氏(11位)に注目する。
「オムロンは取締役から初めて創業家がいなくなる人事を決めた。同社は10数年前から『社長指名諮問委員会』を置き、社長人事の透明化を図ってきた。その取り組みが結実するか。今回の人事がうまくいくかに注目です」
新時代の始まりを感じる交代もあった。JR東海の丹羽俊介氏(6位)はJR6社で初の「民営化後」入社の社長になる。
「昨年5月に『国鉄改革3人組』の1人である葛西敬之名誉会長が亡くなったこともあり、本当に時代を感じる人事だと思います。国家的事業であるリニア建設を、目標とする2027年開業に向けて軌道に乗せられるのか期待しています」(関氏)
新社長たちは期待に応え、日本経済を明るい方向へと導けるか。
※週刊ポスト2023年4月7・14日号