対象商品にはパッケージに目印が
ただし、この制度を受けるには、普段から健康づくりや病気予防の取り組みを行っている人という条件がある。具体的には、特定健康診査や予防接種、定期健康診断やがん検診などを受けている人だ。
また、控除の対象となるのはすべての市販薬ではなく、いわゆる「スイッチOTC医薬品」のみだ。スイッチOTC医薬品とは、医師によって処方される医療用医薬品から市販薬に転用された成分を含む医薬品のこと。鎮痛成分のイブプロフェンやロキソプロフェン、炎症を抑えるインドメタシンなどがある。
対象となる市販薬のパッケージには「セルフメディケーション税 控除対象」という識別マークがつくほか、レシートにも何らかの目印や対象商品であることを示す注記がなされることになっている。
ちなみに、この制度は従来の医療費控除とは併用できないので注意したい。対象となるのは2017年からの購入分なので、すぐに必要ではない買い置き用なら年を超えてから対象商品を確認して購入し、レシートを保管しておくといいだろう。
医療機関にかかった場合の領収書も合わせてとっておき、1年分を合計して控除される金額が大きい方を選択するのがおすすめだ。生計を一にする親族の分も合算できるので、同居家族はもちろん、仕送りをしている子や親にも「薬のレシートは捨てない」を徹底しておこう。
文■森田悦子(ファイナンシャルプランナー・ライター)