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「若い人には率先して話しかけます」 声優・日高のり子さんが「年齢の壁」を乗り越えるために意識していること

日高さんの手作り梅干し。次はみそづくりにも挑戦したいとか

日高さんの手作り梅干し。次はみそづくりにも挑戦したいとか

 いつも明るく、若い声優とも壁を作ることなく接するコミュニケーションの達人だが、そこには細やかな気配りがある。

「若い人が多い現場では、私が率先して話しかけますね。そうしないと、向こうからは萎縮して声がかけづらいことに気づいたんです。それは、年長者の務めだと思います。

 といっても距離を詰める必要はなくて、『スタッフの差し入れのお菓子、どれがおいしかった?』とか、相手が負担なく答えられる当たり障りのない話題でいいんです。『どんなアニメが好き?』なんて聞いて、『日高さんの作品を言わなきゃ』と気を使わせるのは絶対に嫌ですから(笑い)。

 コミュニケーションを取るのは自分のためでもあるんです。みんなが話しやすく居心地のいい空間になったら、楽じゃないですか。

 基本的に、いつも機嫌よくありたいんです。若い頃は『自分を否定された』というような嫌な出来事を反芻し、何度も思い返して怒ることもありました。でも、いまはすぐ忘れちゃう(笑い)。生活に支障をきたすのは困りますが、年を取って忘れっぽくなるのも便利だなあと思っています」

【プロフィール】
日高のり子さん/声優、俳優。1962年、東京都出身。1980年に歌手デビュー後、1984年に声優デビュー。『タッチ』浅倉南、『となりのトトロ』草壁サツキなど、代表作多数。現在は『あさイチ』(NHK)やCMのナレーション、俳優など幅広く活躍中。昨年、40周年記念書籍『天職は、声優。』(主婦の友インフォス)を出版。

取材・文/佐藤有栄 写真/本人提供

※女性セブン2023年4月13日号

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