投資

藤野英人氏 日本株はこれまでのネガティブ材料が逆回転する

 長年の課題である北方領土問題は、お互いのメンツを立てる意味でも、何がしかの進展は見せるだろう。ロシアにしてみれば、クリミア問題を機に経済制裁に追い込まれた事態を打破すべく、豊富な天然ガスを日本に売り込みたいのが本音ではないだろうか。日本にしても2020年の東京五輪以降の経済成長を睨んだ取り組みは少しでも広げておきたいところだ。

 そこで、たとえば日ロがシベリアの共同開発を進めるような計画が決まってくれば、株式市場が大きく反応するのは間違いない。

 すでに期待感から一部のロシア関連銘柄が物色されてきたが、今後は世界的なインフラ投資の流れと相俟って、資源高の恩恵も期待できる商社をはじめ建機や重工業といった「重厚長大産業」の大型株が久しぶりに大きく脚光を浴びると見ている。

 そして、それらの銘柄は指数に対するインパクトが大きいため、株価上昇に伴ってETF(上場投資信託)を年6兆円もの規模で買い進めている日銀にとっても大きなメリットにつながるはずだ。

 日銀が異次元の金融緩和のみならずマイナス金利まで金融政策を総動員してもなかなか上向かなかった日本経済だが、いよいよ光が差し込もうとしていると見ることもできる。

 そう考えていくと、2017年は為替が大きく円安方向に進み、日本株も大きく上向く可能性があるだろう。それが私の予想である。

※マネーポスト2017年新春号

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