価値がないと感じればムダ遣いはしない
私生活は質素に、時に未来のために大きなお金を投資する彼らは「情報」のためのお金は惜しまない。富裕層の海外移住をサポートするアエルワールド代表で、『日本のシン富裕層』著者の大森健史さんは言う。
「特に、自分自身の力で成功したかたは、専門家への相談料をケチることはありません。お金など大切なことを相談するのに無料の相談窓口に行ったり、相談料を値切ったりするような人は、“シン富裕層”にはなれないでしょう。私がお会いしてきた2万人以上の相談者には、教育資金を惜しまない人が多く、近年はインターナショナルスクールが人気です。子供には最低でも英語、できれば2か国語をマスターさせたいというかたが多く、いまは中国語も人気です」
そして、一代で財を成したお金持ちたちは、その頭脳や経験、腕こそが最大の財産。だからこそ、健康には人一倍気を使うのが当たり前だが、贅沢な食生活を送っているわけでは決してない。
「贅沢品ではなく、安全なものを食べようとされています。栄養バランスに気をつけて、スーパーマーケットに売られている食材を普通に購入して調理して食べている。健康のためにジムに通ったり、継続的に体を動かしているかたも多いですよ」(大森さん)
お金持ちたちは「高価なもの」ではなく、値段にかかわらず「価値を感じられるもの」にお金を出しているのだ。逆に言えば、価値がないと感じれば、ほんの数百円であっても、ムダ遣いはしない。
大手外資系金融機関で投資額5億円以上の超富裕層を担当してきたAさんは、顧客の多くが頻繁に「もったいない」と口にするのを聞くと語る。
「銀行での手数料はもちろん“郵送のための切手代がもったいない”と言うお客さまもたくさんいらっしゃいます。“健康にもいいから”と歩いてご来店されたり“ただの移動手段だから、コスパがいい方がいい”と、ごく普通の国産車に乗っているかたも多い。さらには、“環境、駐車場代の節約、健康のために車は持たず、自転車に乗る”という経営者もいます」(Aさん)
「コンビニに行かない」「ペットボトルは買わず、マイボトルを持ち歩く」というのも“お金持ちあるある”。
決してケチなのではなく、添加物を避けるためであったり、環境破壊を防ぐためであったり、自分の好きなものだけを口にしたいという“ポリシー”があるのが、本物のお金持ちなのだ。
※女性セブン2023年4月27日号