新生活が始まる4月を機に財布を買い替えるという人が少なくないが、「昨今の財布は小型化・薄型化・軽量化の傾向が見られます」と言うのは、ファイナンシャルプランナーの花輪陽子さんだ。
「クレジットカードや電子マネーに加え、QRコード決済がここ数年で急速に普及し、わが国のキャッシュレス化は大幅に進みました。
従来は、口が大きく開いて中身を取り出しやすい長財布が人気でしたが、昨今は紙幣や硬貨を使う機会が減ったぶん、よりコンパクトな財布が求められるようになりました。
日本のキャッシュレス決済比率は2022年で36%。10年前(2010年、13.2%)に比べると、倍以上の伸びを示していますが(いずれも経済産業省調べによる)、こうした傾向は今後も続くでしょう」(花輪さん)
たしかに、いまどきの若者の多くは財布を開くことなく、コンビニでも自販機でも駅の改札でも、スマホひとつで支払いを済ませてしまう。世の中の人たちは、どんな財布を使っているのだろうか。
海外セレブのお財布はレジ袋!?
シンガポール在住の花輪さんは、「シンガポールのお金持ちはお財布を持たない」と言う。
「シンガポールは多民族国家ですが、富裕層のほとんどがお財布を持っていません。そもそも海外はクレジットカード払いが当たり前になっているのと、必要ないものにはお金をかけない主義という人が多いんです。現金は密閉袋かレジ袋に入れて持ち歩くというお金持ちのマダムもいるほどです」(花輪さん)