グローバル展開をするファストフード店は、その国の食事情に合わせて、独自メニューを用意するケースも多い。たとえばマクドナルドには、日本独自のメニューとして、テリヤキバーガー、エビフィレオ、月見バーガーなどがある。そうしたなかで、現在タイ・バンコクに滞在中のネットニュース編集者・中川淳一郎氏が注目するのが、タイのケンタッキー・フライドチキン(以下、KFC)だ。日本ではKFCを“ビールのつまみ”として重宝していた中川氏だが、はたしてタイのKFCメニューはどうか。中川氏がリポートする。
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KFCは、日本ではビールのつまみとして、神宮球場の売店で買って野球を観ながらよく食べていました。自分としてはKFCのチキンは食事ではなく、居酒屋の鶏唐揚げに通じる「ビールの供」です。そんなつもりで本日、バンコクのKFC店舗へ。タイはそこかしこの街角で鶏の唐揚げを売っているほどの「唐揚げ大国」。鶏肉を使ったタイ料理もウマいため、KFCがウマくないワケがない。せっかくだから日本の店舗にはない品も合わせて購入してみました。
チキンは「オリジナルチキン」1つと「ホットスパイシー」2つ。日本のKFCにはない商品は、酸っぱ辛いチキンとタマネギとパクチーがライスの上に乗せられた「スパイシーチキンライスボウル」。さらに、「Wingz ZAAB」という辛い手羽元の唐揚げ、そしてエッグタルトを購入しました。マッシュポテトを1つ買ったらなぜかもうひとつついてきた……。コレが重い! ボリュームあり過ぎ! いわゆる“Buy 1, get 1 free”というヤツです。これだけ買って308バーツ(約1200円)。
さて、まずはオリジナルチキンを食べてみましたが、ドラムスティック(下モモ)部分です。うま味が濃厚なモモ肉(英語ではいわゆる「ダークミート」)は、料理に使っても良さそうです。そしてオリジナルチキンは、「キール」(胸部分)と、「リブ」(あばら)だったのですが、こちらはサッパリとした味わいです。衣はカリカリに揚がっており、油がよく切れています。
食べていくうちに分かるのですが、日本の濃厚なオリジナルチキンのスパイスとしょっぱさを「これぞ最高のつまみ!」と感じる我が身からすると、タイのオリジナルチキンとホットスパイシーチキンは、ちょっと味付けが薄く感じられました。大量のケチャップとチリソースの小袋が入っていただけに、これらをつけて食べる前提の味の設計になっているのではないでしょうか。私は別で用意していた塩とナンプラーをかけて食べたところ、ようやくビールのつまみになってくれました。