すでにエコカーを買った人も、減税対象から外れる車種であれば、次の車検の時に高い重量税を払わなければならない。税理士でもある浦野広明・立正大学法学部客員教授がいう。
「エコカー減税の目的は二酸化炭素排出量を減らすこと。エコカーが売れて税収が減るのは本来の目的にかなっているのに、それを理由に増税するのは本末転倒、アベコベ増税です」
●タワーマンション増税「甘い言葉で釣って、後出しジャンケン増税」
都心の高層マンションの好調な売れ行きを支えているのが「タワマン節税」だ。現金などの金融資産を持っているよりも、マンションなどの不動産に変えておいたほうが、相続税の評価額は下がる。ここに注目し、取引価格の高い高層マンションの高層階の物件を購入し、子供に相続させて節税するという手法だ。
東京五輪をにらんで東京都心の中古マンションの相場は上昇しており、資産価値が上がって節税もできるとあって高層マンションが売れに売れ、不動産市況は好転した。
財務省はそこに触手を伸ばした。今回の税制改正でタワーマンションの高層階の固定資産税や相続税の税率を引き上げ、“冷や水”をぶっかけようとしている。