「税金安いよ」と見せかけ、買った途端に増税というアコギな手法だ。“一生に一度の大きな買い物”と意気込んで買った人は、簡単に引っ越すわけにもいかない。浦野氏が語る。
「節税潰しを理由に高層階の税率を引き上げれば、自分の居住用に購入した人まで増税で負担が重くなる。投資目的の部屋と、収益の低い居住用の住宅の税制は別に考えるべきなのに、これも理屈に合わない」
●ビール類増税「売れている酒は増税してしまえ」
「日本のビールの国際競争力低下を招いている。税率を公平にして競争力を高める」
財務省がそんな理屈を振りかざしているのがビール類増税だ。戦前からビールには戦費調達のために高い税率がかけられてきた。
だから一般大衆は税率が低い発泡酒などが発売されるとそっちに走ったが、増税官僚たちは「多く飲まれる酒に重税を」という発想で、今回の税制改正でビール、発泡酒、第三のビールの税率を1缶(350ml)あたり55円程度に一本化する方針を固めた。第三のビールの場合、1缶27円の値上げ(増税)になる。「民間税制調査会」共同代表の三木義一・青山学院大学学長(租税法)が語る。
「そもそも日本のビール税率はアルコール度数に対して高過ぎる。だから、業界はビールの高税率が適用されない発泡酒や第三のビールを開発せざるを得なかった。