財務省は歪んだ税制を敷き、業界に他国なら必要ない無駄な努力をさせ、国民にビールまがいの酒を飲ませてきた。それをいまさら『国際競争力の低下を招いている』といわれたら業界も国民も怒りますよ」
その通りだろう。しかも、財務省は税率一本化について「酒税全体の税収は変わらない」と説明しているが、その先の狙いは増税だ。
「発泡酒の登場前、年間2兆円あった酒税の税収は、いまや1.3兆円まで減った。発泡酒などの“脱法商品”が開発されたからだ。本当なら全部ビール並みの税率にしたいが、いきなりやると批判が強まる。そこでまず税率を税収中立の55円に一本化して酒税法の抜け道をなくした上で、いずれ現在のビール税率(77円)まで引き上げる」(財務省関係者)
これでは国民に“車を買うな”“マンション買うな”“ビールも飲むな”というに等しい。
※週刊ポスト2016年12月16日号