クーポンやキャンペーンを駆使する
いずれのピザチェーンも、「持ち帰りで半額」もしくは「持ち帰りで1枚無料」というキャンペーンを実施している。そのため、デリバリーで注文した際の料金との差額が実質的な配達料だと捉えてきた消費者がいるのも理解できる。外食チェーンに詳しいライターの小浦大生氏はこう話す。
「持ち帰りにすれば配達する労力はなくなるので、その分安くなると考えるのは至極もっともだと思います。一方で、宅配ピザでは、クーポンを配っていたり、さまざまなキャンペーンを実施していたりして、持ち帰りに関するサービスもそのひとつだと考えることができます。
つまり、あくまでも定価ありきで、消費者がクーポンを使ったり、持ち帰りにしたりすることで、割引を受けられているということ。本来の価格に対して品質の保持が難しくなってきている現状があるなら、デリバリーに関する費用を別途徴収するというのは、それなりに理に適ったことと言えると思います」
とはいえ、やはり配達料やサービス料が実質的な値上げとなり、消費者にのしかかってくるのが現実だ。
「結局、宅配ピザを利用する際は、クーポンやキャンペーンを駆使するのが賢いということ。持ち帰りができるのであればそうしたほうが安く済みますし、新商品やキャンペーン対象商品が割引されているケースも多い。これらのキャンペーンを上手く使って、欲しい商品をいかに安く購入するかを検討するのが、お得に利用するコツです。
また、公式サイトで注文する際と、出前館などのデリバリーサービスで注文する際で、キャンペーンの内容が異なることもあります。面倒くさくても、注文するときは、さまざまなサイトをチェックしたほうが、お得な情報に出会える可能性は高いでしょう」(小浦氏)
お得感を追求することの落とし穴
クーポンやキャンペーンの適用ルールをしっかり把握しておくことも大切だ。
「たとえば、ピザ本体は半額になってもトッピングは対象外だったり、セットメニューではキャンペーンが適用されなかったりといったことがあります。また、複数のクーポンの併用ができないことも多く、どのキャンペーンを使えばいちばんお得になるかをしっかり見極める必要があるでしょう。
さらには“お得感”ばかりを求めて、過剰に注文してしまうのも気をつけたいところです。1枚半額になるから、と3000円くらいで大きなピザを2枚持ち帰っても、食べきれなかったらあまり上手な買い物とは言い難い。ピザハットであれば、割引はされなくても、デリバリーで1200円程度の1人向けセットを注文したほうが、使うお金も少なくて済むし、無駄もない。割引率や、どれだけの金額を割り引かれたかばかりに振り回されないことも大切です」(小浦氏)
宅配ピザをお得に利用するためには、まさに情報戦ということ。メニューやキャンペーンの内容をしっかりと読み解きながら、その時の“最適解”を導き出すことが、節約のポイントになるだろう。(了)