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生涯年俸33億円・山本昌が語る「一軍と二軍の格差」 お金と待遇の違いよりも心揺さぶられたこと

年俸は360万円。二軍時代の山本昌(1984年。時事通信フォト)

年俸は360万円。二軍時代の山本昌(1984年。時事通信フォト)

「1億円プレイヤーになったらフェラーリを買う」

 お金と待遇の違いも辛いが、何より心を揺さぶられたのは「野球ができなくなるかもしれない」という恐怖だった。

 山本氏が一軍に上がるのはプロ入りから3年目のことだった。一軍1年目の年俸は400万円だった。

「5年目で初めて5連勝して、その後の契約更改で前年までもらっていた額の3倍を提示されたんです。それまではいつクビになってもおかしくない状態。寮に住んでいたんですが、クビの通告は球団事務所からの電話で知らされます。受話器を持ってうなだれる先輩の姿を今でも思い出します。活躍できない日々が続くと、いつ電話が鳴るかと毎日ビクビクでした」

 しかし、5年目以降の山本昌はそれまでの沈黙が噓のように活躍を始めるのだった。

「二軍時代は一軍に上がるのだけが目標でしたが、一軍のマウンドからは他にも様々な目標を見渡すことができました。とりあえず1億円プレイヤーになったらフェラーリを買うと決めていましたよ(笑)」

 1993年には実際に年俸が1億円を超え、念願だったフェラーリ・テスタロッサを購入した。翌年には沢村栄治賞を受賞。月間MVP賞は通算8回を数え、押しも押されもせぬ日本球界のレジェンドとなった。2015年には日本球界で初となる50歳での登板を果たした。生涯年俸は33億6000万円と言われる。

「お金のことももちろんですが、山本昌という投手を育ててくれた日本の野球界には感謝でいっぱいです」と語る生ける伝説。今後も野球解説者、コメンテーターとしての活躍は続く。

※『マネー格差の天国と地獄』(ニューノーマル研究会編・小学館)を元に構成

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