実は、この日銀が保有する国債は、政府にとって事実上、返さなくてよい借金なのです。日銀は国債を市場から購入して、日本銀行券を発行する。日本銀行券は国債と異なって、利払いの必要がないし、元本返済の必要もない。
つまり、国債を日銀が購入するということは、国債を返済不要の日銀券にすり替えるということなのです。
そこで、日本の連結純債務439兆円から日銀が保有する国債残高400兆円を差し引くと、2016年10月時点の日本政府の本当の借金は40兆円にすぎない。
しかも、2016年度下半期で日銀は国債をさらに40兆円程度買い増すと見られることから、日本政府は2016年度末には実質無借金経営になると計算できるのです。
ところが、これまでそれを誰も指摘していない。ならばと、私はそれを具体的にグラフ化してみました(グラフ参照)。
これを見れば一目瞭然のように、長かった財政再建が2016年度末にようやく完了するのです。
※マネーポスト2017年新春号