「入学してからずっと、テーマ探しに難航しました。『人間は焚き火などの火を見るとなぜ落ち着くのか』とか『日本人は安楽死を受け入れるのか』など二転三転してしまった」
「特に安楽死研究は、世界中の数多くの研究者が素晴らしい論文を発表していて、いまさら俺が手を出したところで新たな発見があるものを書ける自信もなかった」
「その迷走期間は2年半続き“このまま大学院にいてもしんどい、辞めてしまおうか”とも考えました」
そんな悩めるテリー氏を、叱咤激励してくれた人物がいた
「『大下容子のワイド!スクランブル』(テレビ朝日系)のコメンテーターで慶大で教壇にも立っている若新雄純さんです。彼から“テリーさん、大学院は誰でも入れます。出るのが大変! 絶対にやり遂げて!”と言われた。目が覚めましたねー」
「俺……甘えてたわって。大学院に通うのは経済的にも大変な負担で、俺はありがたいことにそれを続けられる環境がある。ここで放り出すなんてできないと心を入れ替えました」
「やはりもう少し自分の仕事に関することやよく知る世界の事柄をテーマにしようと考え直し、思いついたのが自分のラジオ番組の仕事中も考えていたことでした」
「それは『ラジオ通販で高齢者はなぜ(商品を)見ずに購入するのか』です。テレビ通販の返品率は5%でラジオ通販の返品率は1%くらい。さらにネット通販は返品率が20%を超えるとも言われています。ラジオはやはり信頼があるんですよね」
「高齢者にとってラジオは青春そのものだから、そういう慣れ親しんだメディアというのも大きいと思う。そうした心理を掘り下げて研究しました。同じような先行研究もなかったし、先生方からも“テリーさんならではの視点で面白いです”と言ってもらいました」
「やはりこれだ、というものを見つけた後は筆の進みが早く、10万字書いて、最終的に6万字に削ってまとめました」と振り返る