かつて米国ではレーガン大統領が大型減税と財政出動で国内経済を立て直す「レーガノミクス」を掲げて財政赤字を膨らませ、最終的にはドル安を招いた。
あの時と同じように、カリスマ的なオーラを放つ大統領が登場して財政拡大に走れば、同じような道を辿るのは宿命ともいえる。
もうひとつ、2017年の金価格を予測するうえで付け加えておきたいのが、金融政策の行方だ。FOMC(連邦公開市場委員会)で利上げを強硬に主張するタカ派のメンバーが2017年に交代することでハト派色が強まり、利上げの判断がこれまで以上に慎重になることも予想される。
それによって引き続きドル金利が上昇せず、米国は財政政策と金融政策の両面でドル売り圧力に晒されることにもなりかねない。
そのようなシナリオを想定すると、ドルと逆相関関係にある金価格は上昇すると見た方が現実的だろう。2017年の上値は1450ドルというのが私の見方だ。
※マネーポスト2017年新春号