さらに、1兆4313億円で純資産残高トップとなっている『フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし)』が、11月にこれまでの月100円の分配金を70円にすると発表。今後、資金流出が加速する可能性が浮上している。
海外リートファンドの純資産残高は10兆円に達しており、そのほとんどが米国のリート市場で運用されている。
米国のリート市場は、マーケットサイズを考えると、こうしたファンドの資金でバブルに近い様相を呈しているため、資金流入が減っていることはソフトランディングに向けた動きともいえるが、今後の動きには注意が必要だろう。
一方、堅調に残高を積み上げているファンドもある。それは、「リスクコントロール型」と呼ばれるものだ。
価格変動リスクを低減させるために、市場動向に応じて投資資産の組入比率を機動的に変更するファンドのことで、簡単にいうと、運用資産を「減らさない」ことに主眼を置いている。
以前から、同様のファンドは存在していたものの、リスクコントロール型と銘打って登場したのは2012年後半から。2014年から始まる『NISA』(少額投資非課税制度)をにらんで、相次いで設定された。
当時、NISAは、資産運用の経験がない人も利用することが期待され(実際その期待は実現した)、そうした人たちに向けて、なるべくリスクを排除し、運用による損失が生じにくいファンドを提供することを目的としていた。
しかし、販売当初は苦戦が続いた。