マンションから徒歩5分の位置にある駅が東京駅直通(ダイレクトアクセス)など利便性がよく、ファミリー層が「これなら買えそう」という価格を演出した物件だ。
通常、都心にこのくらい近いエリアだと7000万円~8000万円という価格が多かったため、割安感がより際立ったといえる。
実は今、この「東京駅ダイレクトアクセス」や「大手町駅ダイレクトアクセス」、「駅から徒歩5分以内」が、売れるマンションのキーワードとなっている。
購入者の傾向が、利便性重視の買い方に変化しているためだ。かつては1時間半の通勤圏は一般的だったが、現在はドアトゥドアで職場まで1時間以内でないと、マンションはなかなか売れない状況のようだ。
実際、埼玉県や千葉県などの都心から1時間以遠の地域では、新築マンション物件自体の供給が少なくなっている。
輸入資材の高騰などで新築マンションの建設コストは上昇しているものの、分譲価格に転嫁できない理由が郊外にはある。郊外では戸建てとの競合が起こるが、パワービルダー(建て売り分譲住宅業者)が低価格路線をとっているため、価格を上げると戸建てに負けてしまうのだ。
東京カンテイの調査で過去2年間の戸建ての価格動向データをみると、郊外の各地域で3~5%程度しか上昇していない。これは地価の上昇によるものと思われる。