株式市場には「季節性」がある。例えば過去の統計上、夏から秋にかけては株価が下落する月のほうが多い傾向にあり、「夏枯れ相場」という言葉も存在する。では、そうした季節性を踏まえて、5月以降の株式市場にはどのように臨めばよいのだろうか。シリーズ「まるわかり市況分析」。個人投資家・投資系YouTuberの森口亮さんが、過去のデータを振り返りながら、株式市場の季節性の傾向と、その対策について解説する。
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ゴールデンウィークが終わりました。連休中に、米国株式市場でいくつかの波乱はありましたが、結果的に日本株は落ち着いた展開を見せているのではないでしょうか。
5月上旬の決算発表を終えれば、夏から秋の相場に移っていきます。相場の上昇を期待したいところではあるのですが、夏から秋にかけては「季節性」でみると注意が必要です。そこで、今回は「相場の季節性」について解説します。
日経平均株価は夏に下落している
「夏枯れ相場」という相場格言があります。これは「8月相場」に対する投資格言で、夏休みなどで市場参加者が減り、流動性が低下しやすいことを指しています。一方で「閑散に売りなし」という言葉もあり、材料も少なく下がりにくいとも言われますが、サプライズのニュースに対して急変動しやすい側面もあり、取引には注意が必要です。
三井住友DSアセットマネジメントが発表した1959年から2018年の60年分の月間騰落率を見ると、マイナスとなっている月は7月、8月、9月、10月の4つの月のみです。絶対に夏が下がるというわけではないですが、過去60年分のデータで見る以上、下落する傾向が強いことは事実です。