「人生100年時代」に突入し、長い老後をどのように過ごすべきかが現代の新しい悩みの種となった。そうした“後半戦”を見据え「学び直し」を始めている人たちが増えている。
「認定心理士資格」取得を目標に、4月から4年制大学へ3年次編入することを発表したのは、つるの剛士(47才)だ。つるのはすでに通信制の短大を2022年3月に卒業し、幼稚園教諭二種免許を取得。同年12月には保育士免許も取得している。「将来的には自分の保育園を作りたい」と話すつるのにとって今回の編入は保育士としてのステップアップにつながることが予測される。
シングルマザーの小倉優子(39才)も3児の母として家事や育児、仕事をこなしながら受験勉強に励み、白百合女子大学に合格。4月から大学生活を送っている。
学び直しに沸くのは芸能界だけではない。都内在住の女性・Aさん(58才)も子育てが終わって一区切りがついたので、資格取得にチャレンジしたいと意欲的だ。
「もともとパートで働いているのですが面白みがないし時給も上がらないので、何か資格があればよいのではと思いました。物価も高くなってきたし……。ただ具体的にしたいことは特にないし、勉強の方法もわからない。どうすればよいか悩んでいます」
Aさんのように学び直すならセカンドライフの充実と年収アップを目指したいのが本心だろう。その両方が狙える資格は何か──。
社労士なら安定収入が得られるだけでなく窓口勤務も
「いま『社会保険労務士会』に入会してくる新会員の多くは60代以上のかたです」
そう話すのは資格ソムリエ(R)の林雄次さんだ。
実際に一般企業で働きながら61才で社会保険労務士(社労士)の資格を取り、現在は独立している木村藤子さん(64才)はこう話す。
「資格を取ってから2年間は一般企業でフルタイム労働をしながらの兼業でスタートし、週末のみ業務をしていましたが、その時点で年収は100万円増えました。現在は社労士専業になりましたが、安定して稼ぐことができています。定年もないため健康であれば何才でも働けるのも魅力だと感じています」