林さんによれば社労士は特にセカンドキャリアに向いた資格だという。
「企業における法律相談の資格と聞くと“難しい知識が必要なんじゃないか”と敬遠されますが、社労士は働くうえで必要な法律を扱うので勉強する内容はそれまでの社会人経験で、すでに知っていることも多い。新しいことを学ぶというより“なんとなく知っていたことのロジックを改めて理解する”という表現が近いです」(林さん・以下同)
社労士の試験に必要な勉強量は平均して約900時間。1日3時間ずつ勉強すれば1年間で取得できる計算だ。
また労働面でも顧問料の相場はある程度決まっており、安定収入が得やすいだけでなく、働きやすい窓口勤務の勤め先も存在する。
「ハローワークや年金事務所の窓口で働いている社労士も大勢います。日額1万円以上で業務内容もある程度決まっていて働きやすいです。顧問契約の営業をするのが苦手だったり、始めたばかりで会社顧問として責任を負うのは不安という場合でも働き口が結構あります」
仕事の単価が高い行政書士、自分の資産も守れるFP
働き口が多く、年齢を気にせず働ける国家資格で、同じように長期キャリアが見込める行政書士もおすすめだ。資格取得にかかる勉強時間は約600時間と難易度は社労士よりやや下がる。
「行政書士は単発の仕事が主で、社労士のように安定収入にはつなげにくい。その代わり1件あたりの単価が高く、飲食店の営業などの認可を取得するなら10万円からが相場。労働時間に対して稼ぎが大きくできるのが魅力です」