東日本大震災の影響もあり、以降LNG(液化天然ガス)を大量に輸入するようになったことで、日本の貿易収支は赤字となり、「輸入の方が輸出より多くなる」言い換えれば、「輸入代金のドル建での支払い>輸出代金のドル建での受取り」という構造になりました。
東京市場ではドル/円相場で恒常的にドル買いが出やすい体質に変化したため、2011年以降は5~10円程度の上昇⇒数か月のレンジ相場⇒また上昇、という押し目の浅い上昇サイクルを2015年までに繰り返しました。しかし2016年にはズルッと円高に落ちる局面が多くなります。
◆貿易黒字によりドル/円相場は一変
2016年上半期は貿易収支が黒字に転換したことにより、「ドル買い」よりも「ドル売り」の方が恒常的に出るような仕組みになってしまったため、ドル/円を下支えする要因がなくなり、2016年はドスンと下落する現象が起きるようになりました。戦後1965年から2010年まで続いた「貿易黒字相場」に戻ったということです。
貿易黒字時代のドル/円相場を見ると、ジリジリと押し上げる局面がありながらも、ある時期を境にドスンと落ちるような特徴があります。