株価の底入れには急落後に急回復を見せる「V字型」と、長らくもみ合う「鍋底型」があるが、マザーズ指数の場合は典型的な鍋底型となっている。
そう考えていくと、マザーズなど新興市場を中心とした小型株はちょっと火がつけば燃え広がるような状況にあり、一気に株価が上昇する可能性は十分あると見ている。
日銀が買い支える「官製相場」は続く
何より日本株は日銀が年間6兆円ものペースでETF(上場投資信託)を買い入れ、株価を下支えしていることが大きい。中央銀行という巨大な買い手が支える「官製相場」は、少なくとも2%のインフレ目標に向けてまだまだ続く見込みのため、2017年も下がりにくい環境にあるのは間違いない。
ただし、下がりにくくなる反面、適正価格(フェアバリュー)を超えて株価が上がってくるようなケースは想定しにくい。そこを抜けてさらに上値を追うためには円安、そして原油価格が上がるか、高止まりして落ち着くかという材料が必要となるだろう。
為替動向を見ると、トランプ政権下でも米国の利上げは既定路線といえ、いずれドル高となる方向性はもう見えている。円安に資源高が加われば、日本株にとってメリットになるに違いない。
※マネーポスト2017年新春号