安くて、おいしくて、ボリュームもたっぷり── “町中華”と呼ばれる大衆向けの中華料理店に、そんなイメージを抱いている人も多いだろう。しかし、口コミサイトを見ると、“ライスが微妙”“料理はおいしいけど、白ごはんはよくない”“ライスはおいしくないので、麺類かチャーハンがおすすめ”などといった投稿が散見される。定食メニューを提供する中華料理店も多いのに、“ライスが微妙”というのは致命的。一体どういうことなのだろうか。
外食チェーンに詳しい小浦大生氏は、「もちろんすべての店がそうではありませんが、ライスにこだわっていない中華料理店は少なくない」と話す。
「中華料理では麺類やチャーハンが主食なので、“白ごはん”については少々おざなりになっていることも多いんですよね。大衆向けの安い町中華だと、安いお米を使っていることも珍しくはないと思います。後々チャーハンにすることを想定してご飯を炊いているお店もあり、そういった場合は通常より少々固めに炊くこともありますね」(小浦氏)
中華料理店だけでなく、洋食店などで固めにご飯を炊くことが多いとも言われている。
「カレーライスやハヤシライスのように、ご飯に何かをかけて食べる料理の場合、水分が多いご飯だとベチャッとしてしまってあまりおいしくない。多少固いくらいのご飯のほうが、いろいろな料理に対応しやすいという事情があります。
もちろん、定食が売れ筋のお店であれば、ご飯に対するこだわりも強いのですが、たとえばイタリアンレストランのように、あまりライスが出ない飲食店だと、余ったご飯を冷凍して保存し、それを解凍して使うということもあります。そういった場合は、“ハズレのライス”に遭遇してしまうこともあるでしょう」(小浦氏)
ライスの中に“かたまり”が…
そこで、中華料理店のライス事情を調べるべく、マネーポストWEBの庶民派グルメ担当記者Aが、都内のいくつかの中華料理店に実際に足を運び、ライスが“微妙”かどうか検証した。
まずは、都内に数店舗を構える餃子専門店・A。ランチタイムでは、数種類の定食を提供しており、価格は1000円前後。麺類のセットメニューもある。記者A は、回鍋肉定食を注文した。