シネコン大手のTOHOシネマズは5月1日、6月1日より映画鑑賞一般料金を1900円から2000円に値上げすると発表した。さらに東映とティ・ジョイも6月16日から一般料金を1900円から2000円に値上げする。「映画料金2000円時代」に突入するなか、映画ファンが気にしているのは映画料金だけではない。ネット上では“売店の行列をどうにかしてほしい”という声も多く出ている。
いったいどういうことか、エンタメ事情に詳しいライターの大塚ナギサ氏はこう説明する。
「映画館の収入源として売店の売り上げはかなり重要なものとなっています。しかし、人気作品の上映時間直前になると売店が混雑して、上映時間までに購入できないというケースも少なくない。混雑を緩和して、上映時間までに売店のお客さんを上手くさばけるようにして、売店での売上を増やせば、鑑賞料金の値上げも必要ないのでは?という指摘もあるわけです」
「香りを嗅ぐだけで、ワクワクしてくる」
映画館の売店において、定番商品といえばポップコーン。では、なぜポップコーンが「定番」なのだろうか?
「諸説ありますが、かつてはアメリカでは映画が面白くないとスクリーンに物を投げる人が多く、柔らかいポップコーンなら人に当たっても痛くないし、スクリーンに当たってダメージが少なかったから、なんていう説もあります。
そして、よく言われているのが、ポップコーンはほかのお菓子に比べて、食べる際に音が出にくく、上映中でも周囲を気にすることなく食べられるからという理由です。また、原価が安く、劇場の収入源になりやすいからということも言われています」(大塚氏)
ポップコーンを食べながら映画を観ることで、楽しみが倍増すると感じる人も少なくない。
「私にとって、映画館とポップコーンは完全にセットですね。別にお腹が空いているわけではなくても、映画を観る時は必ずポップコーンを買います。あの香りを嗅ぐだけで、なんだかワクワクしてくるんです。気分を“映画モード”にもっていってくれるアイテムという感じです」(20代女性・Aさん)
「普段ポップコーンを買うことはないのですが、映画館では絶対にポップコーンを買います。結構量が多くて、食べきれないことが多いんですが、“映画館といえばポップコーン”というのは外せません」(20代男性・Bさん)