《ニューヨークに行きたいかーっ!?》のフレーズが記憶に残る『アメリカ横断ウルトラクイズ』(日本テレビ系)。1991年に同番組で優勝し「クイズ王」として知られる能勢一幸さんは、現在も埼玉県庁に勤めながら、全国規模のクイズ大会の開催に携わり活躍している。数々の賞金を手にしてきたチャンピオンだが、お金事情は意外にも、堅実そのものだった。
「本職は公務員ですが、職場に申請すれば、賞金など給与以外のお金を受け取ることはできます。でも、お金のためではなく、気兼ねなくクイズを楽しみたい。だから、仕事以外で生じたお金は、基本的にはクイズ関係の団体に寄付することが多いですね」(能勢さん・以下同)
自身を「ずっと昔から、お金は堅実に使って貯める派」と語る能勢さん。2001年に『クイズ$ミリオネア』(フジテレビ系)で全問正解を果たし、1000万円の賞金を得た際も、自分のために使った額は、周囲に思われているほど多くはないとのこと。
「お世話になった人や親しい人に還元させていただきました。いまでも『あのとき、賞金でおごってくれたよね』と言ってもらえることがあって、そのたびにうれしくなります。父にも定年退職記念として旅行をプレゼントしました。自分のためには、夫婦で海外旅行に行って、当時発売されたばかりのDVDレコーダーを購入したくらいです。大金を手にしたがために人間関係が壊れてしまうことだけは避けたかったんです」
クイズ以外に大きなお金をかけた経験
テレビ番組出場を目指したクイズでは、大会で勝てば賞金がもらえる一方、負けても借金ができるわけではない。必要経費はテレビ局へ行くための交通費だけという、お金のかからない趣味だ。
「でも、クイズ以外に大きなお金をかけたこともあります。2002年の日韓共催のサッカーW杯では、海外旅行に行けるくらいの金額を出して日本代表の3試合を観戦しました。婚約指輪は“給料3か月分”をゆうに超える金額。かなりの予算オーバーだったものの、いまも時折うれしそうに指輪を眺めている妻の姿を見ると、思い切ってよかった、と幸せになります。金額にかかわらず、記憶に残るものが私にとっての贅沢な使い方です」