どこまで作業をやってほしいのか「着地点」を共有
どこまで作業をやってほしいのか「着地点」を共有することも重要だ。例えば洗濯は「洗濯物を分別する」「洗剤を入れる」「洗濯機を回す」「干す」「取り込む」「畳む」「しまう」などプロセスが多い。流れを全部やってほしくなるが、最初はぐっとがまん。まずは、その中の1つを選んでもらって、あとは夫に任せるのがコツだという。その際、ポイントがある。
「例えば“畳む”と言うとき、アイロンをかけるものは分けて、家族別に衣類を分けて積みあげておくまでが“私の言う畳むなの”といった具合に、“私がお願いしているのはここからここまで”と伝えることは大事なポイントです」(佐光さん)
一見、簡単に頼めそうなゴミ捨てにも注意点がある。「ゴミを捨てて」という一言だけでは相手に伝わらないこともある。
「ゴミ袋をゴミ収積所に持っていくだけがゴミ出しではありません。“家の中のゴミを集める”“ゴミを捨てる”“新しいゴミ袋をかける”という3段階に分かれています。その作業の内容を“仕事”として、わかりやすく伝えましょう」(西崎さん)
流れや内容を夫が理解したら、“自分のことは自分で”というふうに「完全分業制」に持っていくのもアリだ。精神科医の樺沢紫苑さんが言う。
「妻は自分で曜日を決め、私はトレーニングジムに通った日に洗濯するというルールのもと、わが家は自分がやりたいタイミングで洗濯をしています」
そうやりながら一歩ずつ、一歩ずつ「家事ができる夫」への道が拓けていく。
※女性セブン2023年6月8日号