半分以上の投資信託が「配当抜き」をベンチマークに
金融庁は「ベンチマークとするのは配当込みであるべき」と表明していますが、実際は、配当抜きと配当込み、どちらにしなくてはいけないといった明確な規定はありません。今のところ運用会社の任意で決められますので、わたしたち投資家が、どちらのベンチマークを採用しているかをしっかりチェックする必要があります。
ちなみにベンチマークがある日本株投信のうち、アクティブ投信は57%、インデックス投信で62%が、「配当抜き」を使用しています。つまり、たいしてチェックせずに投資信託を選んだ場合、2分の1以上の確率で、配当抜きをベンチマークとしているものを選んでしまうことになります。とくに注意が必要なのはアクティブ型で、配当抜きがベンチマークになっていれば、それを上回るパフォーマンスを見せているように映りますが、配当込みの同じ指数と比べた場合、それより劣っていることもあり得ます。
配当込みか配当抜きかの見分け方
投資信託の目論見書には、対象とするベンチマークが書かれていますが、配当込みの場合は、配当込みと記載されています。何も書かれていない場合は、配当抜きだと思っていいでしょう。
もし自分の保有している投資信託が、配当抜きのベンチマークを使用していたら、同じ対象資産の投信で配当込みのベンチマークを採用しているものがないか、確認してみてください。ちなみにこの連載でもたびたび触れている「eMAXIS Slim」シリーズは、すべて配当込みの指数をベンチマークとしています。国内外のさまざまな指数が対象なので、自分の投信の基準価額と比べてみるとよいですね。