投資

FXにおいても、逃げるは恥だが役に立つ

 昨今のドラマ不況の中、『逃げるは恥だが役に立つ』(日本テレビ系)が異例のヒットを飛ばしています。正直、ドラマとして、あまりパッとしないタイトルだなと思っていましたが、実はFX取引においては名言といっても良いほど言い得て妙なところがあります。

FX(投資)における「逃げる」とは?

 FXで長期にわたって勝ち続けている投資家の共通点のひとつに、「臆病」ということがあるように思えます。理由は、相場と真剣に向き合えば向き合うほどその奥深さを実感し、謙虚にそして臆病になっていくから。しかし、それは一般的に使われる臆病の意味とは少し異なり、いつでも引ける態勢、つまり「逃げられる」準備をしているということです。

 では、「逃げる」とは何を指すのでしょう? それは、相場が自分のイメージとは異なった動きとなったときに一旦ポジションを決済することです。投資家の中では「利益が大きく出ていたが相場の流れが変わって少額の利益で逃げた」といった使われ方をします。

 この「逃げる」ことを、機械的にルールを守ってしっかり実践するのがどれだけ重要で難しいことか、継続的にしっかり考えながら投資を行っている人にはわかってもらえるかと思います。

逃げることは勝つための絶対条件

 どんなに取引が上手な方でも、勝率100%ということはありません。必ず損切りをする機会があります。長期にわたって勝ち続ける投資家は、そのやり方が上手であるということです。

 つまり「逃げる」ことがうまくなると、トータルの収支で負けにくくなると言えます。では具体的にどのようにして「逃げて」いるのか? 少し紐解いてみたいと思います。

(1)損を最小限に抑えるために
 思い描いたストーリーとは逆に相場が動いてしまった場合、すぐに決済(損切り)するのが投資の定石。初心者の方はまずそれを徹底できるようになることが重要です。

 その次のステップとしては、損失を抱えた中でいかに傷(損)を浅くするかがポイントになってきます。相場は上げ続けることも下げ続けることもありません。どこかで切り返したり、もみ合ったりしながら動くのです。その中で想定しうる反発などを「逃げ場」として構えながら待つ。これがしっかり出来る方は、負けない投資家への扉を開けかけているのではないかと思います。

(2)常に逃げ道を考えている
「買い」「売り」どちらの場合においても自分が思い描いた方向とは違った動きをすることがあります。その際、その場その場で対応を考えるのではなく、事前に複数のシナリオをもっていれば急場の対応で差が出ると思いませんか?

 私がこれまで出会った勝ち続けている投資家は、「逃げ道」を常に用意しているように見えました。ロスカットのポイントが明確であるという言い方もできますが、プライスアクション(レートの動き)によって判断を少しずつ変えながら逃げるタイミングも図っているように思えました。

FXにおいても、逃げるは恥だが役に立つ

 ハンガリーのことわざであり、ヒットドラマのタイトルにもなった、「逃げるは恥だが役に立つ」。これはFXにおいても非常に有効な投資手法であることがご理解いただけたら嬉しいです。

 Wikipediaによると、このことわざの意味は、「自分の得意分野で勝負せよ」ということらしく、長期や短期、買いや売り、ドル/円やユーロ/ドルといった選択肢・投資方法が多いFX投資においても、学ぶ点が多い言葉だと思います。

 ぜひ公式ブログ「為替王子川島寛貴のFXで副業から本業へ(~そして伝説へ~)」もご覧ください。

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▽川島寛貴(かわしま・ひろたか)

金融投資情報サイト「みんなの株式」に創業メンバーとして参画し、多くの億トレーダーやアナリストから金融・投資に関する知識やテクニックを得る。現在はIEYASU株式会社(https://www.ieyasu.co/)を創業し、無料の勤怠管理システムを手がける。投資アドバイザーとしてセミナー講師などもこなす通称「為替王子」。公式ブログは「為替王子川島寛貴のFXで副業から本業へ(~そして伝説へ~)」。

 

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