キャリア

「両親は東大、僕は日大ですが何か?」 高学歴の親に育てられた子供たちの本音と葛藤

明治大は「受かって当たり前」扱い

 20代男性・Bさんの出身大学は明治大で、現在は大手メーカーに勤務している。父親は東大卒で弁護士。母親は慶応大卒の国家公務員、一回り上の兄は東大卒の商社マンだ。兄が優秀ゆえに、親からはいまだに「お前は出来が悪い」と言われているという。

「子供の頃から、親も兄弟もエリートという姿を見慣れていたので、自分も『遺伝子はもらっているんだし、自然とああいうふうに頭がよくなるかな』と思っていましたが、まったくなりませんでした(笑)。

 親から、勉強するよう厳しくプレッシャーをかけられたことはないのですが、よくため息はつかれていましたね。『お兄ちゃんは優秀なのに、なんであなたは……』みたいな感じです。僕は、頭がいい親の子が、自動的に勉強する、あるいは勉強ができると思ったら大間違いということを証明しています。

 明治には現役で入学したのですが、父と兄にとって、明治は『現役で行くところではなく、後がない浪人生が受けるところ』という認識らしい。僕は目一杯頑張ったんですけどね……。たまに実家に帰ると、父から何かと『お前は出来が悪い。自分の子供とは思えない』と言われます。慣れないですね」(Bさん)

「なんでこんなところに?」面倒だった他人の目

 現在大手IT企業に勤める20代男性・Cさんの父親は、東大卒で一部上場の大手メーカーに勤務、母親も東大卒の公認会計士だ。Cさん自身は日本大学を卒業したが、自分の人生を振り返ると「勉強しなさい」と言われたことはないそうだ。

「親が東大卒だとわかると、『子供は大変じゃない?』みたいなことをよく言われるんですけど、ウチはなかったですね。『東大に行きなさい』とか言われたことはないし、『勉強しろ』と言われた覚えもないです。放任でした」

 父親は地方公立進学校、母親は東京都内の中高一貫女子校の出身と、それぞれ東大に入るまでの道筋は異なる両親だったが、Cさんの進学を巡っては「基本的に本人の意思を尊重」。勉強が好きではなかったCさんは、区立中から自由な校風の都立高に進学した。

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