各社がフードロス削減に注力するなか、有名メーカーの「訳あり品」が注目を集めている。
森永製菓は、6月28日から通販サイトで、クッキー「ムーンライト」の訳あり品の発売を始めた。工場の製造過程で割れたり欠けたりしたものを詰め合わせ、内容量は336グラムだという。これは通常版の1枚標準8.1グラム、14枚入りと比べて約3倍に相当する。森永製菓は「ムーライト」だけでなく、製造時に折れてしまった不揃いな長さの「ポテロング」も販売するなど、こうした訳あり品に注力し始めている。そして今、そんな訳あり品に熱いまなざしを送る消費者は少なくない。
せんべいやチョコは「むしろ訳あり品狙い」
メーカー勤務の30代女性・Aさんは、訳あり品が「大好き」で、店頭で見つけると必ず買っているそうだ。
「品質に問題がなかったら、見た目は正直関係ないです。訳あり品は量が多いし、おせんべいやチョコなど、複数種類がミックスされているものもあって、いろいろな味が楽しめるのも魅力です」(Aさん)
原材料や原油価格の高騰、円安による輸入コストの増大を背景に、値上げする商品や、価格据え置きでも内容量が減る商品も少なくない。そうしたなか、Aさんは訳あり品について「ありがたい存在」だという。
「もともとお菓子が大好きなのですが、最近は、パッケージのサイズが同じなのに、『こんなに少なかったかな? 小さかったかな?』ということが増えて、買うときにときめかなくなっていました。なかには明らかにスカスカに感じるものまであり、裏切られた気持ちになります。
おせんべいやチョコレートは、むしろ最初に割って食べることさえあるわけで、ぜんぜん気にしません」(Aさん)