アズワン(7476)市場平均予想(単位:百万円)
企業概要
事業領域は、研究所等にビーカーや培養器などの研究用機器・消耗品を総合的に提供する科学機器分野、エレクトロニクス等の生産施設等に無塵手袋や工具等を提供する産業機器分野、そして、聴診器、救急カート等の看護用品等を提供する病院・介護用品分野。また研究設備品や食品菌検査等の専門性の高い分野も手がけています。
<2016年3月期の売上構成比は、研究・産業機器79.2%、病院・介護20.8%>
同社はカタログ媒体を通じて「豊富な品揃え」を提案し、「必要な時に必要なだけ、ビーカーひとつでも直ぐにお届けする」という顧客満足の高いビジネスに取り組んできました(ネジ一つからお届けする間接資材通販のモノタロウも、ニッチ市場でこういった取り組みを続け間接資材業界のAmazonと称されるほど高成長を遂げました)
豊富な品揃えは、内外およそ2,600社のサプライヤーとの締結の下で実現されており、紙カタログでは大商合わせて7万点、Eコマース「AXEL」では120万点を超える商材(17/3期には140万点に)を取扱います。
東京・大阪・九州の3カ所の物流センター、1万拠点の販売網(販売代理店4300社)を通じたロジスティクスシステムを確立し、カタログ掲載品当日出荷率は95%を実現しています。同社のカタログは、ほとんどの理化学機器販売店で取り扱っていると言われ、業界での認知度はほぼ100%とも言えます。
利益率改善に取り組んできた同社は、高採算のPB(自社ブランド品)も取扱っています。
こうしてメーカー機能、卸機能、小売り機能を備えたビジネスモデルを確立し、効率的な経営をしています。利益率は足踏みが続いているものの、高水準で推移しています。
注目ポイント
Eコマースの強化や中国事業拡大を中心とした海外展開の強化など、中期計画で掲げられている成長戦略の取り組みが業績に寄与しつつあり、来期以降の成長にも期待が寄せられるといったところです。17/3期の業績は増収増益増配の見通しとなっており、好調です。成長投資として設備投資や研究開発費、人件費などは増えたものの、増収でカバーしており、また株主還元にも前向きな点は好印象で高評価です。
業績成長は急激ではないにせよ、しっかりとした足取りで業績成長を遂げています。今のところ利益率の大幅な上昇はありませんが、PB・輸入品比率の拡大、Eコマース事業の拡大、物流システムの効率化など、進めているプロジェクトには業務効率化に繋がるものが目白押しといったところで、踊り場から1ポイント程度は上がれると見ています。
ニッチ市場で高シェアを握ると、市場の拡大と市場開拓によって事業基盤は拡大する傾向があります。今後、新規市場への進出も狙っていることから、アライアンスなどの動きに注視していきたいです。
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