年パス発売停止でまさかの“お預け状態”
都内に住む会社経営者のFさん(50代/男性)は、十数年前からディズニーランドの近くに住んでいる。
「私は渋谷で働いており、千葉方面には縁がありませんでしたが、妻が千葉県出身で、しかも大のディズニーランド好き。新婚当時は都内に住んでいましたが、子供が生まれて広い家が欲しくなり、妻の強い希望で浦安市内に転居しました。ディズニーランドまでは自転車で10分の場所です。
せっかく近くに引っ越したので、家族で年間パスポートを購入。コロナ前は、妻と子供は週1ペースでディズニーランドに通っていました。妻は、年パスを持っているママ友と園内でランチをしたり、子供の写真を撮るためだけに園内に出掛けたり、贅沢な使い方をしていたようです」(Fさん)
ただ、“夢の国”の近所での生活は良いことだけではなかった。
「年パスのある・なしは、笑えない問題です。このあたりでは遊びに行くとなったらまずはディズニーランドですが、ママ友同士でも年パスを買っていない人はいますし、子供同士でもそれは同じ。年パスを持っていないママ友に軽く声をかければ、互いに気まずい思いをすることもありますし、子供同士で『今からディズニーに行こう』と盛り上がっても、年パスを持っていない子は仲間ハズレになってしまう。妻も子供も、誰が年パスを持っているかをしっかり把握しているのは驚きました。
そしてコロナです。コロナ禍で年パスは発売されなくなり、復活する様子もない。気軽に通うために近所に住んだのに“お預け状態”なのは、まったくもって面白くないですね」(Fさん)
不測の事態は誰も想像し得ないが、何事においても、好きなものに近づきすぎるのは考えものなのかもしれない。(了)