株式投資において、他人の失敗から学ぶことは上達する近道となる。億を超える財産を築いた個人投資家は、どのような失敗から、何を学んで来たのだろうか。45歳で金融資産1億円(億り人)に到達、新刊『半オートモードで月に23.5万円が入ってくる「超配当」株投資』も話題の個人投資家・長期株式投資氏が、自らの失敗から学んだ株式投資の秘訣について解説する。
これまでの失敗から私が学んだこと
株式投資を始めてから20 年目に入りました。これまでに多くの失敗を積み重ねることで、負けづらい投資ができるようになってきたと感じています。「失敗は成功のもと」。失敗してもその原因を考え改善していくことで、投資の練度は向上し、その繰り返しがリターンを高めてくれるのです。
ここでは、私自身の失敗とそこから得た教訓を紹介していきます。読者のみなさんも、株式投資を続けていく中で、同じような状況に置かれることが多々あると思います。そんな時には以下をご覧になって、判断材料の一つとしていただければ幸いです。
売って後悔した株
私には、売って後悔した株がいくつかあります。とくに印象に残っているのは、東映アニメーションでしょう。営業利益率が高く、財務基盤は鉄壁、減配懸念のない優良銘柄でし
た。株主優待というおまけもついており、保有しやすい株だったはずなのですが……。
2009 年4 月から書いているブログを確認すると、東映アニメーションへ投資したのは2009 年11 月2 日。当時の株価は450 円程度(分割考慮後)でした。投資理由として、「日本の世界に誇る文化の一つであるアニメのトップということで将来大化けしてくれたらいいなというくらいの気持ちで買っています」と書いています。
その後、2010 年5 月12 日にNTT へ投資する資金を捻出するために、東映アニメーションの株を薄利で売却しました。NTT への投資は正しい選択だったと今でも思いますが、東映アニメーションの売却は悪夢ともいえる顛末となります。
売却した日のブログを読み返すと、「東映アニメ(これは売りたくなかったなぁ)」 と綴られていました。