「未経験でよかったことなんて本当にない」
フォロワー76万人超えの人気者かつ、いまや童貞の星でありよりどころであるぐんぴぃだが、「未経験でよかったことなんて本当にないんです」と複雑な心境を吐露する。
「確かに街で声をかけてもらえる機会も増えましたが、“バキバキ童貞を拝もうぜ!”みたいなノリになっていて、逆に疎外感を覚えることもある。ぼくは本当に好きな女性が現れるまでは童貞で構わないというスタンスなのですが、『大事にとっておくなんて偉い』『欲望をがまんできるのは高潔だ』みたいな反応をされると、まるで自分はセックスという欲望を絶った昔の偉いお坊さんみたいじゃないかとも思って……(苦笑)。
この状況を打開するために自分から積極的に行こうと思ってツイッターに届いていた『私と会いませんか』というメッセージに『つきましては、よろしくお願いします』と自ら返信したことも何度かあります。すると相手は『実は友達から罰ゲームで“やれ”と言われたんです』と返信してきました。相手が実は男だったこともあります。結局童貞はバカにされる存在なのかと思うこともないとは言えません。本当にひどいもんです」(ぐんぴぃ)
性交渉未経験者が受けるストレスは社会と直結していると性の介護を行う団体「ホワイトハンズ」代表の坂爪真吾さんは話す。
「異性とつきあいたい、性交渉を経験したいのにそれが叶わない人が増えているのは社会的な問題と言っていい。
現在10~20代を中心に30~40代まで未経験の男性は結構な人数になりますが、彼らは自分に自信がなく、にもかかわらず『男性は経済力で女性をサポートすべき』という昔ながらの価値観にとらわれているのです。
しかし自由恋愛になればなるほど、性の問題は個人的な問題になり、本人がどんなに困っていても外部からの介入は難しくなる。しかし実際に未経験者にとって、セックスは時に恐怖や回避の対象になり、いつまで経っても性的に自立できなくなる。性的に自立できなければ社会的な自立も阻まれます。だから本来ならば10代などのなるべく早い段階で恋愛相手との基本的なコミュニケーションを学ぶ機会が必要なのです」
過去、坂爪さんは未経験男性に向けたプログラムを作って実践してもらう「ヴァージン・アカデミア」も実施。成功例も少なくなかったという。
※女性セブン2023年8月3日号