「したいけどできない人」をサポートする必要性
行きつく先がどんな未来であれ、そこに生きる人が選ぶ選択肢が尊重される社会が健全だ。一般社団法人日本家族計画協会会長で医師の北村邦夫さんが語る。
「単に童貞率の上昇を問題視するのではなく、セックスしたい人はすればいいし、したくない人はしなければいい。ただし『したいけどできない人』がいたらその背景を探り、サポートする必要があると思いますし、また、コンドームを使わないなど、思いやりのない、相手に対する暴力的なセックスは許してはいけない。若い人が結婚やセックスに夢と希望を持てる世の中にすることも大切だと思います」
もし、そんな世の中が到来すれば結果として「経験しない」を選択したとしても幸せに生きることができるだろう。未経験であることを明かし、人気YouTuberとなったお笑いコンビ「春とヒコーキ」のぐんぴぃ(33才)はこう語る。
「いまのように娯楽が増えた世の中では、セックスはマストではなく数ある選択肢のひとつなんじゃないかな、とも思うんです。だから童貞が増えたのは社会が豊かになった証拠で祝ってもらってもいいんじゃないかな(笑い)」
性も人生も人それぞれだ。童貞が自分の人生に思い悩んだり、社会からとやかく言われ苦しむのではなく、輝くことができる社会になったとき、日本はまたひとつ成熟するのかもしれない。
※女性セブン2023年8月3日号