さらに、いわゆる2階部分(報酬比例部分)の受給開始年齢の段階的な引き上げが決まった平成12年(2000年)には、65歳までの雇用確保措置の努力義務化、平成16年(2004年)には65歳までの雇用確保措置が義務付けられました。
「年金の受給開始年齢を引き上げる→企業に雇用を延長させる」というセットが繰り返されてきたことがわかります。
「60歳で会社をやめたら悠々自適」は過去の話
2070年には平均寿命が男性85.89歳、女性91.94歳になると予想されています。ついに平均寿命が90歳を超えることが見込まれているのです。そうした中、「国民は70歳まで働き、年金も70歳から」という流れになっていることは間違いありません。
すでに、国は企業に対して70歳までの就業確保を「努力義務」としています。国は「65歳超雇用推進助成金」を出しており、国民を70歳まで働かせることに躍起です。もはや「60歳で会社をやめたら悠々自適」は過去の話なのです。
国民は、20歳から約半世紀は働かなければ、年金ももらえない時代がやってきそうです。長く働かなければならない時代、私たちは身体と心の健康だけでなく、働き続けることのできるスキルを身につけなければならないのかもしれません。
【プロフィール】
北村庄吾(きたむら・しょうご)/1961年生まれ、熊本県出身。中央大学卒業。社会保険労務士、行政書士、ファイナンシャルプランナー。ブレイン社会保険労務士法人 代表社員。YouTube「週刊人事労務チャンネル」で暮らしの役立つお金の知識を配信中。本記事に関する詳しい動画解説はhttps://youtu.be/7qHXuzIieloで配信中。