井上:それほど自民党は組織として大きい。
馬場:そうです。学校にたとえれば、当選1回の1年生から14回の14年生までいて、上の学年が全部仕切っている感じ。だから、何もさせてもらえなくて不満を持つ若手がいっぱいいる。
だけど、維新は最高でも4年生しかいないから、若い人にもチャンスがある。本会議や予算委員会でも若手に質問に立たせて、促成栽培で政治家を育てる。
井上:その若手のほうはどうかというと、統一地方選の時に街頭演説や個別訪問をしない人がいて、本気で選挙活動しているのか疑問を感じる人もちらほらいました。
馬場:井上さん、ええとこ突いてきますね(笑)。そこが維新のいいところであり、悪いところでもある。自民党の議員には、「1回つけたこのバッジ、絶対離せへん」「なんなら息子にも孫にもひ孫にも継がせる」という執念があります。一方、維新の議員はそこは淡泊で、「私は私のやり方でやります」「あかんかったら、(落ちても)しゃあないやん」みたいな若手が結構いる。
井上:代表の馬場さんとしては、大変な思いで選挙を戦っていると思うんですが、そういう若手を見て「なめてるな」と思わないんですか?
馬場:思いますね(笑)。党勢が拡大していくなかで、質と量のバランスをどう取っていくかは、大きな課題だと思います。
(後編に続く)
【プロフィール】
馬場伸幸(ばば・のぶゆき)/1965年、大阪府出身。大阪府立鳳高校卒業後、「オージー・ロイヤル」でコックとして勤務。1986年から中山太郎・元外務大臣の秘書を務める。1993年、堺市議会議員補欠選挙で初当選。20年間堺市議会議員を務めた後、2012年、衆議院議員として初当選。その後日本維新の会幹事長、共同代表などを歴任。
井上咲楽(いのうえ・さくら)/1999年、栃木県出身。栃木県立茂木高校卒業後、2015年、第40回ホリプロタレントスカウトキャラバンで特別賞を受賞し、芸能界デビュー。『Live選挙サンデー』、『めざまし8』(いずれもフジテレビ系)などでコメンテーターを務めた。現在は『真相報道 バンキシャ!』(日本テレビ系)に出演中。「選挙ウォッチャー」としても活動している。
※週刊ポスト2023年8月18・25日号