飛ぶ鳥を落とす勢いの「日本維新の会」代表にして、過激な他党批判で炎上を繰り返す馬場伸幸(58)。いったいこの男、何者か。人気タレントとして活躍する一方、選挙ウォッチャーとして数々の現地取材を行なってきた井上咲楽(23)が鋭く迫った。【前後編の後編。前編から読む】
岸田さんは陰キャ
井上:維新が野党第一党になることが現実味を帯びていますが、自民党とはどういう距離感で関係を築くのかが、非常に気になります。連立も視野に入れているのでしょうか。
馬場:政治の歴史を見ると、古くは新自由クラブがありますが、新党さきがけやみんなの党、日本新党など第三極と呼ばれた政党が、大臣ポストで誘われて連立を組むと、最後は自民党に吸収されるか潰れるかで終わる。
井上:だから、連立は組まないと。
馬場:はい。今まで第三極の政党で長持ちしたのは、新自由クラブで10年でしたが、維新は11年目に入ったんですね。ここまで来たら、最長不倒記録を伸ばして、最終的には単独で政権をお預かりするのを目標としたい。
井上:野党第一党どころか、近い将来、2009年に民主党が風を起こして政権交代を果たしたように、自力で政権を取ると。
馬場:まあ、その時になったらムーブメントを起こす必要があるでしょうが、今すぐということではない。先日、小沢一郎さんがSNSで発言していたんですが、政権交代のために数を集めたら、変なやつばっかり集まってきたと(笑)。今、うちが政権取ったりしたら、珍獣ランドになる。
井上:珍獣ランド内閣ですか(笑)。
馬場:やっぱり経験を積んで戦闘力を身につけないと、政権は預かれません。だから、維新は中期経営計画というビジョンを掲げていて、10年で政権を担える政党になり、日本大改革をやる。
井上:維新は党の勢いも増していますが、最近は野党に対する言葉も過激になっているように感じます。
馬場:政治って戦いですからね。今の永田町は、与党と野党が馴れ合い、仲良しグループになって、ぬるま湯に浸かっている。
野党はみんな“戦う野党”を標榜しますが、立憲さんの言う戦いとは、スキャンダルを追及したり、“牛歩戦術”で審議を妨害したりで、挙げ句の果ては“強行採決ごっこ”ですからね。自民は立憲に「何月何日にこの法案は採決します」と通告しているんですよ。それでいざ委員長が「今から賛否を問います」と言ったら、急に委員長席に殺到して、マイクは奪うわ、書類は破るわ、人垣の上からダイビングするわで、“体張って止めようとしました”アピールをする。だけど、LGBT法でも改正入管法でも、そんなにアカン法案なら、採決の前に「ここを直しましょう」「こういう条文を入れましょう」と、自民と交渉すべきでしょ。