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【INPEX、富山第一銀、ゼンショーHD】ネガティブ市場環境でも高騰する「アグレッシブバリュー株」の見分け方

 このようなマクロ環境の追い風に加え、大幅な業績成長の実現、そして増配の発表で、滅多に見ることのない地銀銘柄のストップ高となったわけだ。現在の株価水準は、8月14日時点でのPERは10.1倍、PBRは0.39倍、とこちらもまだまだ上値を期待できる水準である。

PEGレシオではまだ割安のゼンショーホールディングス(7550)

 すき家やはま寿司などを手掛けるゼンショーホールディングス(7550)は、PERは40倍を超えており、PBRも約8倍だ。単純にPER、PBRの指標で判定するならば、前の2つのようなバリュー銘柄(割安株)ではないと考えるだろう。むしろ割高銘柄と見る人も多いかもしれない。

 では、純利益の成長率を基準に株価の割安性を判定する「PEGレシオ」を用いて判定してみよう。PER40倍、純利益成長率74.7であり、【PEGレシオ=PER(株価収益率)÷企業の利益成長率(%)】の数式にあてはめるとPEGレシオは0.54という数字が出る。

 PEGレシオは1を基準として、1を超えていれば割高、1以下であれば割安、といった判断をする指標であり、ゼンショーホールディングスの数値は、「将来的な利益成長率を考えれば割安」といった判定となる。

 8月10日に発表された第1四半期(2024年3月期)決算ではその業績成長が好感され、翌営業日の8月14日の株価は、前日比10.34%の上昇となった。

 現在の株価水準は、8月14日時点でのPERは47.8倍、PBRは8.7倍で、こちらもPEG指標で見ればまだまだ上値を期待できる水準である。冒頭に説明した株式相場に漂ってきたネガティブ環境において、同社の成長はそれを乗り越えられるのか、今後も注目だ。

「日本は割安株の宝庫」、アグレッシブバリュー銘柄を探そう

「日本は割安株の宝庫」ということは随分と昔から言われてきたことである。割安株の投資はリスクリワード(損失と利益の比率)で考えた際に、リスクの低さが魅力と考えられる。一般的には、リスクが低ければそこまでリターンも見込めない。しかし、今回取り上げた銘柄は、割安のバリュー株でありながら大きな上昇も見込んだアグレッシブバリュー株とも言える。バリュー株の中でもこういった劇的な上昇チャンスがある銘柄はまだまだあると考えられる。

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