「今そろばんを渡されても、掛け算のやり方とか全然わからないですね……。何桁もの足し算も、よくできてたなと思うレベルです。あと、今思えばですが、そろばんをやっていたからといって暗算がめちゃくちゃ得意になるわけでもない気がします。
先生にはよく、『頭のなかにそろばんをイメージして』とか言われた気がしますが、全然想像できないまま挫折しました。なので、エアそろばんもできません。もはや習ってたとか言うのが恥ずかしい」
ではCさんは、習わなくてもよかったと思っているのか。
「結局、そろばん教室主催のクリスマス会とか、そういうイベントが楽しみで、そちらのほうが記憶にも残っているぐらいですが、それもいい思い出。また、今まったくできなくなっていても、目的をもって一つのことに取り組むという経験は良かったと思います」(Cさん)
習っている間の思い出があるだけで、それはもう貴重な経験といえるのかもしれない。(了)