シストレと裁量取引の中間的サービスが登場
ただ、ミラートレーダーはイスラエルのトレーデンシー社が提供するサービスであるため、それを利用する日本のFX業者が独自のサービスで差別化を図るには限界がある。しかも、具体的にどういった条件がそろえば各ストラテジーの売買サインが出るかは公表されておらず、投資家は細かい条件を指定できないという難点がある。
そこで投資家のニーズにこたえるため、独自のプラットフォームの開発に乗り出す業者が現われた。14年春にはインヴァスト証券が、具体的な相場予測や取引ルールを投資家が自ら設定し、実際のトレードだけを任せる「トライオート」という新サービスの提供を開始した。
また、8月にはFXプライムbyGMOも簡単にストラテジーを自作できる新サービス「ちょいトレFX」をリリース。従来、ミラートレーダーもMT4も、プログラミングの知識がない人は既存の売買システムを利用するしかなかったが、ちょいトレFXでは投資家がマウス操作だけで簡単にテクニカル指標を組み合わせたストラテジーを作成できる。自作したストラテジーはリアルタイムの相場でバックテストができるので、成績を確かめてから取引を始めることが可能だ。
いずれも、自分で具体的な戦略を指定できるので、シストレと裁量取引の中間的なサービスといえるだろう。ミラートレーダーをはじめとするシストレは、裁量取引に比べてスプレッドが広いのが難点だったが、トライオートはリリース当初は3銭前後で変動していたスプレッド(米ドル円)を、「2銭固定」に変更してきた。今後、シストレがさらに多様化し、競争が激しくなれば、スプレッドも縮小していく可能性はあるだろう。