授業では特にピアノの演奏に苦戦するも、かつて娘が弾いていた自宅のピアノを調律し直して必死に練習。個人レッスンにも通い、乗り越えた。努力が実って、昨年3月の卒業とともに63才で保育士の資格を取得。意外にも学費はかからなかったと打ち明ける。
「本来なら年間100万円近くかかりますが、神川県の職業訓練制度に応募して審査をパスすれば、教科書代などの実費以外の学費が免除になるんです。私の場合は経歴がユニークだから通過できたのかもしれません」
働き始めてみると想像以上にハードな毎日
トントン拍子で取得した保育士の資格だったが、いざ働き始めてみると想像以上にハードだった。
「0~2才の子供はすごく体が小さく、180cm近い身長の私は世話をするときにいつも前屈みになるから、腰を痛めて椎間板ヘルニアになってしまったんです。仕方なく3か月の勤務の後、休職して手術をしました。いまは無理のないように週4日、1日6時間を基本に働いています」
苦い経験もあってなお、保育士の仕事はかけがえのないものだと高沢さんは熱く語る。