「勉強に集中できたのは妻のおかげ」
50才の初受験から55才で金沢大学医学部に合格するまで、北は北海道から南は鹿児島まで延べ50校近くを受験。受験費用だけで1年あたり60万円以上もかかったという。
「合格通知が届いたときは、妻と久しぶりに寿司店に行きました」
実際、お金のやりくりは大変だった。大学時代の4年間と国家試験浪人中の1年間は「収入ゼロ」。退職金と奨学金の借り入れ、銀行やカードローンの借り入れなどで生活を賄い、水野さんの妻は値引きされた総菜や食材を買い、食費を切り詰めて出費を減らすよう努めた。
「医師を目指すと話したとき、妻は“医者になるなら世界一の医者になって”と激励してくれました。勉強に集中できたのは妻のおかげです。
医師になって8年経ったいまもいまだ自分が向いているかどうかはわからないし、悩むことも多いけれど、人や社会のために自分が役立っていると実感することが人の幸せなんだなと思います」
写真/本人提供
※女性セブン2023年10月5日号