力士のための手当と親方本人の給料が“どんぶり勘定”に
まさに「土俵にはカネが埋まっている」という話だが、若手親方からはこんな声も聞こえてきた。
「部屋を興す時に協会からの補助金はなく、部屋の土地建物も含めて資金調達をしなければならない。そもそも、親方として協会に残るために年寄名跡が必要で、譲渡してもらうための相場は1億円とも2億円ともされる世界。数億円の借金を背負って第二の人生をスタートしているようなものなんです。
それで弟子の衣食住の面倒を見なければならず、電気やガス、風呂の水道代もバカにならない。後援者からの差し入れもあるが、食べることが仕事の力士の食費は半端ではない。1日10升の米を炊く部屋も少なくないし、肉や野菜も大量に消費する。部屋経営は楽じゃない。ただ、そのぶん力士のために使うべき手当と、親方本人の給料などが“どんぶり勘定”になり、結果的に親方衆がいい思いをしている部屋も少なくないのは事実でしょう」
こうした相撲部屋の“どんぶり勘定”の実態を知っている協会職員だけに、サービス残業をさせて残業代支払いをケチる協会に対して「ちゃんと支払え」と怒りたくもなるということなのか。(了)