国立社会保障・人口問題研究所が2022年に行った「全国家庭動向調査」によると、夫婦の家事分担において、その割合は「妻80.6%、夫19.4%」だった。2018年の前回調査と比べて妻の割合は2.6ポイント下がったものの、平日は妻が夫の約5倍の時間を家事に費やしており、偏りが目立つという。共働き世帯が増えるなか、家事や育児をどう分担するかは大きな問題。時間や手間の短縮につながる「最新家電」の導入も選択肢となるが、価格が高いことから、意見の対立を招くこともある。新刊『誰にだって言い分があります』が話題のフリーライター・吉田みく氏が、最新型のロボット掃除機導入をめぐっての夫婦対立の実例をレポートする。
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日常の家事を楽にしてくれるロボット掃除機。年々性能も上がっており、ストレスなく自宅の掃除を任せることができるようになってきた。筆者は10年前に初めてロボット掃除機を購入。先日新しいモデルに買い換えたのだが、とても快適に使えている。
しかし買い替える際、ネックとなったのが価格だった。お財布と相談した結果、6万円ほどのものを購入した。家事を楽にするには、ある程度の出費を覚悟しなくてはいけない。
都内在住の会社員・タダシさん(仮名、40歳)は妻と小学生の3人家族。先日、ロボット掃除機の導入を巡って妻と衝突してしまったことを話してくれた。
「先日、新居に引っ越しました。家具や家電を揃えるのに意外とお金が掛かったので、気を引き締めなくちゃいけないなと思っていた矢先、妻から『ロボット掃除機も買いましょうよ!』と言われたんです。有名メーカーの最新機種の値段を見たら20万円近いのでびっくりしてしまいました」(タダシさん、以下同)
タダシさんもロボット掃除機に興味はあり、導入にも前向きだったという。しかし金額を見て驚愕、断念せざるを得ない状況だった。そのことを妻に話すと、不機嫌な表情になってしまったそうだ。