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【超高齢社会の現実と提言】長寿で元気な老人が増えた今「敬老の日はもうやめてはどうか?」

日本国民の10人に1人は80歳以上。いわゆる「高齢者」は約3割を占める(写真はイメージ/時事通信フォト)

日本国民の10人に1人は80歳以上。いわゆる「高齢者」は約3割を占める(写真はイメージ/時事通信フォト)

「10人に1人は80歳以上」となっている超高齢社会・日本。高齢者が増える一方で、現役の勤労世代が減り続けているため、様々な社会課題が山積している。しかし、経営コンサルタントの大前研一氏は、「課題=ビジネスチャンス」と捉え、シニア層の活性化が日本の強みになるという。現在80歳の大前氏が考える“これから求められるシニアビジネス”とはどのようなものか? 最新刊『「老後不安」を乗り越える シニアエコノミー』が話題の大前氏が解説する。【前後編の前編】

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 超高齢社会に突入した日本は、多くの社会課題を抱えています。

 たとえば、少子高齢化や労働力人口の減少、社会保障費の高騰など、社会構造が大きく変化しています。地方では過疎化が進み、コミュニティの希薄化と単身世帯の増加といった地域構造の変化も起きています。それに加えて、オレオレ詐欺などの社会問題もなくなりません。なぜ詐欺だと気づかないのかと不思議に思いますが、特殊詐欺全体でも毎年300億円前後の被害が出ています。

 それから、高齢者が抱える個人的な課題としては、身体機能の低下、日常生活の困難、さらに、外出やコミュニケーションなどの社会的な行動というものが困難になって、孤立化が進むということも指摘されています。

 このような超高齢社会が抱える問題というのは、裏を返せば解決策を提供することによって大きなビジネスチャンスになります。

 私自身、20数年前から「アタッカーズ・ビジネススクール」などで、高齢者を対象にしたサービスや葬式やお墓など亡くなった後のケアを考えるビジネスは今後の日本唯一の成長産業だと教えていましたが、今となってはこれらの社会課題全体が成長産業になっていると思います。

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